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当たり前のことだが

勝者がいれば敗者がいる。最終的な勝者は金メダル獲得者のみ。
後は敗者ということになる。日本人であろうがなかろうが金メダルを取った
アスリートの姿は美しい。喜びを爆発させている。
だがしかし,そのほかはすべて敗者。満足そうにしている人,敗戦のショックから
立ち直れない人,いろいろだが,敗者の生き方,敗戦の受け入れ方にも美しさを感じる。
敗戦の受け入れ方にもいろいろあると思う。金メダルのみを目指してきたものにとって,
銀メダルや銅メダルはやはり心残りがあるだろう。レスリングの伊調姉や柔道の塚田,
そのほかまわりからも世界一の呼び声高い選手にとって金以外は満足のできるものでは
ないはずである。しかし,彼らのインタビューを聞いてみると,時に金をとった選手よりも
ずっと心を打つコメントを残す。やはり彼らは金メダルを本気でねらってその
努力をずっと続けてきて,その敗戦を受け止めるために敗戦の瞬間から
画面からは窺い知れない葛藤を続けているのだろう。この敗戦をバネに
さらに精進を続ける者,あるいは競技者生活に区切りをつける者,様々だろう。
ただ,その判断は本当に超人的な努力を続けてきた競技者にゆだねられるべきだろう。
テレビを見ていると「まだ若いのに」「次のロンドンに期待」などと言っているが,
そういうことは本来ならば無責任に口にしてはいけないことなのだと思う。
もう一つの敗者のパターンは自分のベストをを出せたかどうかで満足するかしないか
ではないかと思う。結果がメダルや入賞を逃していたとしても,自己ベストを
大舞台で出すことができたり,出るだけで満足だったのに準々決勝まで進めた
場合などがそうなるだろう。敗者であっても大満足している場合はこれに当たると思う。
テレビではすぐにメダル予想などをするが,そういうこととは全く別の次元で
選手は満足したり,不満だったりするものなのだろう。
大々的に放送して,皆の目に触れるのが4年に1回なので仕方ないことかもしれないが,
選手たちには是非メディアの無責任な期待に振り回されずに自分の満足できる
競技をしてもらいたいものである。4年に1回しか応援しない無責任なファンはそう思う。
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