Macchin Weblog

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昔話

元旦の未明を除いては昨日、今日が初詣客のメインとなる。といっても一日に3、4名程度。
客殿に控え、初詣客を迎える。毎年顔なじみの人ばかり。山間部にあるうちの寺の地域は、過疎が進んでおり、高齢者ばかりの世帯もかなりある。お参りの方の話題もそんな話になり、寂しいねえ、なんて。

そんな中、地域がにぎやかだった頃の話をあるお年寄りの方が話してくれた。
地域で青年団の活動が盛んだった話、駅前には飲み屋があり、かなり安い値段で飲ませてくれていた…などなど。
今は建物すら残っていないところもある。地域の様子を知る上で貴重な証言だと思う。

また、戦争に出征した頃の話も聞かせてくれた。詳しくは控えるが、仲間が潜水艦に乗って帰りの燃料などない状況の中、どんどん出撃していく中、その方が生き残った理由などはとても興味深く聞かせていただいた。

戦争はするべきではないというのは至極当然だが、何も知らずに戦争反対をただ人がいうから自分もムードに流されて声高に叫ぶのは大嫌いだ。特に子どもたちに歴史を教える立場である教員ならばなおさらのこと。
当時の世の中では戦争反対を声高に叫ぶこともはばかられた世の中で、国のために命を捧げる教育を受けてきた当時の世代の人たちが、その中で青春時代を過ごし、自分たちが信じるもののために多くの人々が命を落とした。この事実を自分も正確に受け止めている自信はない。しかしながら簡単にあの時代は間違っている、狂っているなどと軽々と口にできないということだけは肝に銘じておきたい。

確かに戦争は多くの人の人生に悲しい傷跡を残してきた。ゆえにやるべきではないと思う。結婚したばかりの夫をわずか3ヶ月で戦争にとられ、その間に子どもが生まれ、その子どもは父親の顔を知らずに育ったという話も知っている。その人たちが「戦争はやっぱりいけん」という言葉には深く同意できるのである。やはりその重みを感じた上で戦争があった時代について取り扱うべきなのだと思う。

お寺参りに来られたお年寄りの話からそんなことを思った。
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