Macchin Weblog

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いろいろな話

棚経をしていると,いろんなタイプの人に会う。骨董品の好きな人,農業に
一生懸命な人…様々だ。骨董品の好きな人からは,大きな焼き物のかめは
きちんと量が決まっていて,これいっぱいにすると米何石というのが決まっていたり,
焼き物を大窯に入れて焼くときに他の人と混じらないようにするために
銘を入れるようになったのだなど,元々実用から生まれた発想だったらしい。
農業を一生懸命されている方からは収穫した野菜を出荷するタイミングや
相場によってどこの売り場に持って行くかをきちんと考えて出荷するなど,
かなり頭を使うこと,そして甘みのあるおいしい野菜を作るには,カルシウムが
よいなど,その道に生きる人からは,いくつも学ぶべき点がある。
この方は5年ほど前,脳出血で倒れ,命の危険をさまよいながらも回復され,
今は農業を楽しそうに語って下さる。生き甲斐を見つけられたのだとつくづく思う。
それは,農業について語るときの表情を見ればすぐに分かる。

また,今年初盆を迎える方の家にお参りすると,生前良くして下さった方の遺影が
飾られている。ああ,今年はいらっしゃらないのだなあ,と寂しさを感じる。
毎年ほぼ同じ話だが楽しくお話しされるおばあさん。
「もう耳も聞こえんようになって,いけりゃあしませんわぁ(方言:だめですね)」
「そんなことありませんよ。余分なことはもう聞かんでええと言われてるんですよ。」
「そうでしょうかなあ。まあそう思うことにしましょう。わっはっは!」
毎年同じ内容だったが,このおばあさんとの会話を楽しみにしていた。
自分も元気をもらえるから。でも今年は遺影がやさしげにほほえむだけ。

あるおじいさんは,無くなる二日前に息子さんに「世話になったなあ」と
ぽつりと言ったそうだ。すごく穏やかなおじいさんだったのだが,家の中では
それなりにお酒でトラブルを起こしたり,家の人に迷惑をかけていたようだ。
でも,息子さんの奥様は,
「私もいろいろわだかまりはあったけれど,あの一言で全て洗い流されました。」
とおっしゃった。自分は亡くなる前にそんな言葉を残せるだろうか。
迷惑をかけないで生きていられる人などいないと思う。支えてくれた人に対して
そのような感謝の言葉を残せるだろうか。自分には自信がない。
やはり普段から感じていなければ出てこない言葉だと思う。その心を磨かなければ。

午後四時頃お勤めが終わってすぐに参道の草刈り。午後七時まで。
時間はかかったがきれいになった。満足。
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